第6章 episode4
ー三鷹 光尋side
今日の漁はなんだか楽しかった。
海も穏やかで、魚もたくさん取れた。
「三鷹の息子、ちぃーっと付き合え」
「え、あ、はい」
冨永さんが手招きする。
荒井さんも一緒に歩いていく。
2人は昔から仲良しらしくて、漁でも息の合った良いコンビだ。
そんな2人が行くとすれば、いつものカフェ。
「おめぇはまだ未成年やけぇ、コーヒーな」
「冨さん、当たり前だろ」
もう閉まる時間帯なのだが、ここは漁師のためだけに、僕達が来れば開けてくれる。
「いらっしゃい」
いつもの可愛い笑顔の女店員が出迎えた。