第30章 和解
『うん、ありがとう。
仕事が落ち着いたら帰ってくるから
それまで璃玖斗と待ってて』
「わかった。またね」
遠くなんかなかったね、お母さん。
お母さんも生きてたなら、助けてくれる人、
たくさん居たのに。
見えなかった周りを、
もう少し見渡せる余裕があったなら。
....なんて遅いか。
でもね、お母さん。
私、頑張れる気がするよ。
お姉ちゃんや璃玖斗。
それから漣音さんやリトさんに渚人さんや瑠都くん、
みんながいるから。
だから見守っててね。
もう少し、もう少しだけ。
お母さんの分まで頑張るから…