第29章 颯希の生い立ち、そして真実。
それからしばらくして颯希は真依の家へと養子に入った。
(※細かい事はスルーして下さいませ)
幼かったせいもあってか、真依の事をママと呼ぶようになっていた。
幼少期の記憶は忘れてしまうから。
これから先、彼女は悩むのだろうか。
家族、という枠組みを。
「蒼汰くん...」
蒼汰とのお別れの日。
これ以上は会えないから、
今日で会うことを止めようと決意した。
それは同時に颯希とは赤の他人として接していくことを意味していた。
「またね」
2人の間に何があるのかは分からない。
もしかしたら───
そんな事まで、俺は考えてしまうよ。
短期間ではあるが、君の父親だったから。