第29章 颯希の生い立ち、そして真実。
『なーに迷ってんの!!龍太郎くんは昔、私が困ってたら助けてくれたでしょ??その恩返し!』
そうは言われても。
子どもは簡単に渡すようなものではない。
でも、
俺のせいで颯希を犠牲にしたくない。
正直、蒼汰を養うだけで精一杯。
『ごめん...、お願いします....』
『任せなさい!!』
トンと胸を叩く真依。
頼りになるとは彼女のことだ。
無邪気な笑顔を見る度思い出す、智恵ちゃんの事。
笑い方や口調が彼女に似てきてる。
ごめんな。
大人のせいでこんな風にして。
本当はお母さんに会いたいよな??
本当は、"ママ"って甘えたいよな....