第28章 特殊能力11
ーリビング
「あれ、姉ちゃん??...」
「さっちゃんなら自室だよぉ」
「なんか考え事つって引きこもってからもう1時間だぜ」
やれやれと漣音はテレビに視線を戻す。
瑠都もテレビに視線を戻す。
璃玖斗は1枚の写真を見つめた。
その写真は家族写真。
満面の笑みで写る中に颯希の姿はいない。
「...はぁ....」
璃玖斗は心配でならなかった。
この真相のせいで颯希が落ち込んでしまうこと。
傷ついてしまうこと。
本当は知っているんじゃないか。
この家族写真の真相も、死因も。
知らないのは、俺だけなんじゃないかと。