第27章 特殊能力10
「侑莉!!!」
なんだか久しぶりに聞いた名前。
いつも名前なんかで呼ばれないから。
何秒かしてそれは自分の名前だと気づく。
「なんでいるの....?」
無理やり作った笑顔は情けなかった。
引きつった笑みはすぐバレた。
なぜならすぐに涙が流れ落ちたから。
「...こ、ないでよ....」
グッと堪えていた気持ちが。
溢れ出すように、涙になって流れる。
なんで、助けられなかったのかな、
「助けるよ」
彼女の後ろにはあの男達。
それにまた目が潤む。
私、酷いことしたのに....っ...