第19章 特殊能力4
あれから何も両親の話はしなくなって。
それぞれ成長するにつれて、距離は遠くなった。
お姉ちゃんは県外に就職しちゃうし。
璃玖斗は夜遊びが激しくなって、ひどい時は三日も帰らなかった。
私は知ってる。
お母さんとお父さんが亡くなったことで、ぽっかり穴が空いたんだ。
たくさんの写真を眺めながら、私はまたため息を吐く。
お母さんと颯希のことは前々から知っていた。
敢えて言わなかったけれど。
「颯希....」
知ってるのかな。
知らなかったのかな。
颯希と、私達は血が繋がってないんだということ。