第17章 特殊能力2
「....ああ〜...」
フラフラしながら、なぜかこちらへやって来る。
目が合ってしまったからだろうか。
「おい、颯希ぃ〜」
ポン、と肩に手を置かれる。
酔っ払いってこんなにめんどくさいんだ。
「お前ぇ〜、彼氏いんのかぁあ?」
「居ませんけど...」
「なんだぁい、可愛い顔して居ねぇのか。んはは、俺がなってやろぉーかい?」
あははははは、と大声で笑う渚人さん。
いつも無口な渚人さんがこんなにベラベラ喋るなんて。
「いえ。でも渚人さん好きな方とかいらっしゃらないんですか?」
「んんー、だって俺さ。こんな身だから、だぁーれも近寄って来ないんだよ。好きになっても、どう話しかけていいかわかーんない」