第13章 episode 特別編
「....まぁ、それでもアイツが姉ちゃん傷つけるんなら俺が奪ってやるよ♪」
へへ、と笑って奥の部屋へ去って行った。
よく言うよ、実の弟のくせに。
でも、璃玖斗は本気だった。
ずっと前、打ち明けられた。
好きなんだって。
冗談じゃなくて、嘘なんかじゃなくて。
本当は、誰よりも悩んでて真剣で。
それでもヘラヘラと振舞って、なんともないふりしてたんだ。
だったら、真剣に考えなくちゃって思ったけれど。
やっぱり璃玖斗は実の弟でしか考えられなかったんだ。
そんな話で悩み苦しんでいるとき、諒夜さんに助けられたんだ。