第4章 2人の秘密
あれは小学1年生。
花乃と2人でお泊まり会をした時のこと。
その日の夜、なかなか寝付けなかった私たちは、
好きな人の話になった。
「しおちゃんは好きな人、いる?」
少し遠慮気味にきいた花乃に、
「いるよ。はなちゃんは?」
そう聞き返す。
「いるよ。」
今までこんな話をしたことがなかったから、
少し恥ずかしかったっけ…。
そんなことを思っていると、
「あの、ね、私、まなくんが好きなの…。」
花乃がボソッとそう言った。
「えっ!まなくん?」
私たちと幼馴染の学。
「うん。」
照れて下を向いている花乃がとてもかわいかった。
だから、つい言ってしまったんだ。
「私は、こうくんが好きなの。」
のちのち気づく言葉の重さ。
1度言った言葉はもう消せない。