第8章 京谷 賢太郎の妹(ハイキュー!!)
「いや、俺達の聞いた噂は狂犬ちゃんの妹が狂犬ちゃんと似てなくてかわいい女の子っていう噂」
及川がそう言った途端、かわいいと言われたのが嬉しいのか両頬に両手をあてる菜々子。
「私、かわいいんですか?」
「あ?」
「ちょっと………かわいいって言ったの及川さんなんだけど。
なんで岩ちゃんに聞くの?」
菜々子の反応に傷つく及川。
「あ、そうだお兄ちゃん!
私、男子バレー部のマネージャーやるから」
「あぁ?
なんだよ急に」
「だってさっき決まったもん!」
岩泉をチラチラ見て言う菜々子を見て、賢太郎は全てを悟った。
「認めねぇ!!
絶対、入部なんかさせねぇ!!!」
「なんでそんなことをお兄ちゃんに言われなきゃいけないわけ?
そこの部長からは許可もらったし」
「どうせお前のことだからまた男に一目惚れしたんだろ!?
そんなやつにマネージャーなんかできるわけないだろ!」
「なにをー!!!?
できるし!!
頑張るし!!!」
「絶対できねぇ!!」
どんどんヒートアップしていく賢太郎と菜々子の口喧嘩。
「こーなったらマラソン大会で私がお兄ちゃんに勝ったら入部を認めてよ」
「!!
いいだろう」
「負けたあとでやっぱり無しとか言うのはダメだからね」
「はっ!
それはこっちの台詞だ」
菜々子と賢太郎は睨みあうとふんっと顔をお互い背く。
「いやいや………妹ちゃん、男子と女子でコースとか違うからね?
どーやって勝負するの?」
「問題ありません。
男子のコース走るんで」
「問題大有りだよね!?」
及川の問いかけにケロリと答える菜々子。
「いいぜ?
ハンデで女子のコース走ってタイムで競うかたちでも」
「ハンデ?
もしかして負けたときの言い訳にしたいの?」
「それはそっちだろ?」
「いい加減喧嘩はヤメロ」
京谷兄妹の喧嘩に制止の声をかけたのは岩泉だった。