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スペードの国のアリス

第1章 引っ越し


「まずはこの国はスペードの塔、クローバーの塔、ハートの城、ダイヤの城そして遊園地の5つの領土から出来たスペードの国だ」

5つの領主の写真を見ると知っている顔ぶれの中に

スペードのマークを付けた魔女の帽子を被った少女が映っている

「この子ってもしかして…」
「ああ、その子はスノウ=ドリームローズ…スペードの塔の領主だよ」

スペードの塔…
この子には会わないといけない…そんな気がした

「スノウは時々クローバーの塔にも顔を出すから気になるのなら話しかけると良いだろう」

グレイはそう言うと視線をダイヤの城のマークに目を移す

「アリス、君は軸の違うダイヤの国に居たんだったな…だが、君も知っている通り、この国にあるダイヤの城の女王も宰相も同じであって同じじゃない」

確かに、最初にダイヤの国に来た時はみんなアリスの事を知らなかった
帽子屋屋敷の皆や墓守に居たユリウスも…

「分かってる…」

今迄の関係性がリセットされるのはさびしいけど…

「ちょっとこの国を見て回ってくる」

アリスはそう言うとナイトメアの方を向いた

「ナイトメア、私…」
「ああ、いいよアリス…君はこの塔の住人なんだから」

この国でも大丈夫なはずだ…
帰る場所があるから
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