第2章 音符
「勉強しなきゃ」「勉強会とかする?」「いいね!」「やろうやろう!」
そんなノリで始まった勉強会計画。
メンバーは特に仲のよかった男女6人で叶多の家でやることに決まった。
「勉強しろよ。」
私は苦笑ぎみにそう吐き捨てた
まあ予想はついていたが、話が盛り上がっちゃってみんなペンが進まない。
しまいにはホラー動画を見る流れに。
恥ずかしいことにホラーものは苦手だ。
お腹が空いただろうからみんなのぶんのアイス買ってくるという言い訳をしてホラー地獄から脱出成功。
財布を持って路地を下っていたところで、後ろからわっ!と声が降ってきた。びっくりしてはねあがる私にその声は
「もう夜だしさすがに1人で行かせるわけないだろ」
もうすっかり私の伸長を抜いたんだ、叶多。
なんでかそこで初めて叶多が大きく、男らしく見えた。
星が輝く空の下、私は声をあげた
「あっ、あれ、夏の大三角形!!」
「ほんとだ!!きれいだな!!」
「叶多って星好きだったっけ?」
「舞こそ、好きだったっけ?」
二人は星を眺めながら笑い合った。
「俺、星見ながらいつも聴く曲があるんだけどさ」
「なにそれ、聴きたい!!」
叶多が差し出したイヤフォンのかたっぽから聴こえてきた曲は、“星”をテーマにした素敵な曲だった。
私はその音符ひとつひとつが、流れ星のように流れる旋律に、ひかれていった。