第2章 出会い
「ただいま」
玄関の扉を開けると、パタパタと軽い足音が駆けて来た。
イタチにはそれが弟のサスケのものだということも、握っていたリエの手に少しだけ力が入ったのも、すぐにわかった。
「兄さんお帰り!雨すごかったけど大丈夫だ…った……」
意気揚々と出迎えてくれたサスケだったが、リエの姿を見るなり足を止めた。
緊張した面持ちでリエが
「こんにちは」
と声をかけると、サスケは恥ずかしそうに下を向いてしまった。
人見知りをしないサスケにしては珍しい反応だ、とイタチは思う。
「リエ、弟のサスケだ。サスケ、この子はリエ。二人とも同い年だし、仲良く出来るな」
イタチがそう言うと、サスケはちらりとリエに視線を送った。
「空風リエです。よろしくね、サスケくん」
「……サスケでいい……よろしく」
はにかむリエを見て、サスケは頬を染めてまたも下を向いてしまう。
そんな幼い二人の愛らしい様子に、イタチの顔も思わずほころんだ。
青い果実 02
ずぶ濡れのイタチとリエを見て驚愕したイタチとサスケの母のミコトは、すぐに二人の為に風呂を沸かし
そして風呂で十分に温まった二人にホットミルクを出してくれた。
その温かく優しい味にようやく緊張がとけたのか、リエはホットミルクを飲み終わると誘われるように眠ってしまった。