第7章 休日
「ねぇサスケ」
家に帰ってすぐ、花瓶に花を生けながらリエがふいに言った。
「いつもありがとうね」
「なんだ急に?」
突然のことに目をパチクリさせるサスケに向き直り、リエは微笑む。
「あのね、今日一日休んでみて思ったの。友達といるときとか修行しているときとか、すぐ時間が過ぎるなって思ってたけど、一人で何もしないでいると時間がすごく長く感じて。何もすることのない時間がなんだかちょっと寂しかった。
でもこれって、私の毎日がいつも充実しているってことなんだよね。大好きな友達がいて、仲間がいて、いつもサスケがいてくれる。これって、すごい幸せなことなんだなって、さっき改めて思ったんだ。
だから、いつも隣にいてくれてありがとう。感謝はちゃんと伝えないとね」
別れは突然訪れると、身を以て体験した。
彼らに伝えられなかった言葉は、たくさんあるから。
だから、伝えたい思いは、言えるときに言っておきたい。
サスケと別れるときが来るなんて、考えてもいないけれど。
「これまで色々あったけど……この幸せがずっと続いてほしいな。これからも大好きなこの里で、大好きな皆と…サスケと一緒に、生きていきたい。……なんかそんなこと考えちゃった」
言っていて照れたのか、笑いながらリエは頬をかく。
そんなリエをそっと抱き寄せ、サスケも答えた。
「オレも、お前がずっと傍にいてくれて ……幸せだ。ありがとな」
「……うん」
サスケの優しい声色が、温もりが、ただただ嬉しかった。
生けたばかりのマーガレットが、静かに二人を見守っている。
そこに静かに存在する
”真実の愛”