第7章 休日
明るい日差し。
さわやかな風。
木々の匂い。
そして、鳥の囀りを楽しみながら、リエは里の中を走っていた。
忍術修行はいくらやっても上手くいかず、なんとか身代わりの術と分身の術が出来るレベル。
それもサスケが付きっきりで何度も教えてくれたおかげだ。
さすがにもうサスケにそこまでの迷惑はかけたくなくて、リエは最近では体術ばかりを鍛えるようになった。
女の自分には体力や力的にも不利かもしれないが、自分の一番得意なことを伸ばす方がいいと考えてのことだ。
なんにせよまず体力が必要だろうと思い、早朝の走りこみを始めた。
そんなとき知り合ったのが、彼ら。
「はははは!おはようリエ!!今日も青春しているな!」
「リエさんおはようございます!!今日もお美しいですね!」
そろえて歯を光らせる、親族でもないのにそっくりなこの二人。
上忍師のマイト・ガイと、その弟子のロック・リーである。
二人の任務がないときは走りこみの後組み手をしてもらったり、稽古をつけてもらったりしている。
今のところ、担当上忍師のカカシよりもお世話になっている二人だ。
走りながら、最近あったことを話す。
主な話題は先日のサバイバル演習についてだ。
「そうか。リエはあのカカシの部下になったのだな」
「カカシというと、ガイ先生のライバルという?!」
「そうだともリー!カカシは、我が永遠のライバル!あのすかした感じがナウいのだ!!」
何がどうナウいのか考えてみたがリエにはよくわからなかった。
「ガイ先生、今日は組み手のお時間ありますか?」
「む……我が愛しのリエよ。今日から任務で少しの間里を離れなくてはならないのだ。だが任務に出るギリギリまででよければ付き合えるぞ☆」
「い、いえ。今度お時間があるときにお願いします」
歯を光らせ自称ナイスガイポーズでそう言われたので、リエは若干顔を引きつらせた。
彼の暑苦しい性格は少々苦手だったが、リエはガイを尊敬している。
実力はもちろんのこと、ガイの指導は的確で分かりやすい。
ガイやリーとの実践修行も相まって、彼についてからのリエの体術の実力は見違えるほど伸びているのだ。
「任務頑張ってくださいね。お気をつけて」