第6章 超難関試験…!?
カカシとリエが三人を見守ってしばらくして、サスケがナルトに自分の弁当を差し出した。
サスケが弁当をやるとは思わなかったのか、ナルトもサクラも驚いている。
三人で何かもめた後、サクラもナルトに弁当を差し出した。
”仲間の絆”に喜びを感じたのか、ナルトが涙ぐんだのが見えた。
三人のやり取りを見て、リエはカカシに笑顔を向けた。
彼らとチームメイトでよかったと心から思う。
カカシも笑顔で返すと、くしゃりとリエの頭を撫で、三人の元へと向かった。
「お前らぁぁ!!」
ボンッという音と白煙と共に近くにはいないと思っていたカカシが現れ、勢いよく迫ってきたそのあまりの勢いと怒号に、ナルトとサクラは悲鳴をあげた。
………のだが。
「ごーかっく」
語尾にハートまでつける勢いでにっこりと笑うカカシに、三人は面食らったように佇むことしか出来ないでいた。
毎回発言が矛盾しているカカシに言葉も出ないようだ。
リエも彼らのところへ歩み寄り、カカシの話を静かに聞いた。
「忍者は裏の裏を読むべし。……お前らが初めてだ。今までオレが担当した奴らは、素直に云うことを聞くだけのボンクラだった。ルールや掟を破る奴はクズ呼ばわりされるが……仲間を大切にしない奴は、それ以上のクズだ」
ようやくカカシの言わんとすることが分かり始めた四人は、羨望の眼差しを送った。
「これにて演習終わり。全員合格だ!!」
カカシの言葉に喜びが溢れた。
これからこのメンバーで、正式に忍としての生活が始まる。
これが、各々の夢の第一歩。