第23章 強くなるために
「リエ、サスケと一緒に修行をつけるかたちになるが、いいか?」
サスケがリエを抱きしめようとすると、カカシがそう遮ってきた。
ニコニコと笑顔を振りまくカカシを見て絶対わざとだと確信し、サスケは恨みがましくカカシを睨み付ける。
が、なんの気にも留めていない様に更にイライラが募るだけだった。
そんなサスケの思いに気付かないリエは、にこやかにカカシに返事をする。
「もちろんです。身体が鈍ってしまったので、一から鍛え直すつもりでお願いします」
「りょーかい。ま、サスケの体術修行も兼ねて、二人で手合わせするのが一番かな」
「……リエに攻撃しろってのか?」
一方、カカシの提案に不服そうなサスケ。
その気持ちはわからなくもなかったが、リエにベタ甘のサスケにわざとらしくため息を吐き、カカシは言う。
「馬鹿だねサスケ。手合わせくらいでそんなこと言って…試合でお互い勝ち進めば嫌でもリエと戦わないといけなくなること、忘れてるのか?それに、サスケも体術の腕はこの短期間でかなり上げた方だけど、リエの実力だってお前に勝るとも劣らないよ。
ま、変に手加減でもしてボロボロにやられて恥かくのはお前だから、強要はしないけどネ」
そうカカシがへらっと笑うと、目に見えてサスケの機嫌が悪くなった。
この日から、リエはサスケと共にカカシの指導の元、修行の毎日を送った。
カカシオリジナルの技、雷遁の”千鳥”という技を伝授してもらうべく、ここに来てから特に速さを磨いているらしいサスケは、スピードが格段に上がっていた。
最初の手合わせのとき、その速さに翻弄され悔しい思いをしたリエも、サスケに負けないよう素早い動きを駆使して攻撃に移れるよう心掛け修行に励んだ。
充実した時間はあっという間に過ぎ
遂にその日がやって来る。