第18章 中忍試験二次試験〜死闘〜
トラップを完全に回避した三人は、また一歩リエとの距離をつめる。
「まぁ、ただ殺すってのも芸がねーよなぁ」
ザクはニヤニヤと下卑た笑いを貼り付け、果敢に自分達と渡り合おうとしている少女を一瞥する。
ザクの厭らしい視線はリエを舐めるよう這い回る。
ぞくりと、リエの背に冷たいものが走った。
次の瞬間、音忍たちは地を蹴りリエに襲いかかってきた。
リエは仲間達の盾になるようにクナイを構える。
しかし
「木ノ葉旋風!!」
一瞬何かが眼前に割り込んだ。
そしてそれはものすごい速度で風を斬り、敵を退けたのだ。
「リエさん、お怪我はありませんか?」
「リ…リーさん!!」
そう。
現れたのはリエの兄弟子でもある、ロック・リーだった。
リーの登場に、サクラも驚いているようだ。
「でも、どうして?」
サクラの問いかけに、リーの頬が染まる。
「サクラさんがピンチのときは必ず守ると約束しましたよね!それに、妹弟子であるリエさんを守るのも当然のことです!」
「…ありがとう…リーさん」
リエは強力な助っ人に心から感謝した。
リーがサクラを守るように構えると、リエも彼の隣で戦闘態勢に入った。
「サクラちゃんは、サスケとナルトくんをお願い!」
緊迫した雰囲気の中、戦いの火蓋は切って落とされたのだ。