第16章 中忍試験〜一次試験〜
「これから十問目を出題する」
ここで受験者たちへの更なるルールが追加された。
イビキは彼らの反論を認めず、独裁的な決議を突きつる。
まず彼らに問われることは“出題を受けるか受けないか”。
否と答えれば当然失格。
九問目までの回答の苦労も水の泡になる。
是と答えても正解出来なければ、これもまた然り。
しかしその答えには大きな落とし穴が存在した。
不正解の場合失格だけではなく、今後一切の中忍試験に対する受験資格をも剥奪だというのだ。
詰まるところ、不正解者は一生下忍というわけだ。
目に余る卑劣なルールに、会場はどよめいた。
だがイビキこそがこの試験の法律。
志を折った者は、一人また一人と挙手して退場していった。
リエはナルトを見る。
自分はまだいい。
もし一生下忍だとしても、それでも目標は変わらず続けられる。
それでもナルトが目指すのは里の長、火影なのだ。
心をそのままに、今度はサスケを見る。
彼もまたナルトを見ているようだった。
きっと彼もリエと同じ様な思いなのかもしれない。
サスケはとても優しいから。
憎まれ口を叩いても、本当は仲間想いの人だから。