• テキストサイズ

I'd love to

第1章 第一章


「ここがこの本丸の執務室です」

「へぇ、おっきいなぁ」

蛍丸は感心したように声を上げるが、彼の目線の先は隣の物置に行っていた。

「そこは物置ですよ」一期がそう蛍丸に忠告しようとした時、物置の立て付けの悪すぎる引き戸がもの凄い音を立てて開いた。

「鶴丸国永 推参!…どうだ、驚いたか?」

「鶴丸殿。これは一体なんの真似ですか?」

尻餅をつきながら、急に出てきた鶴丸を睨みつける。さっきまで自分の後ろにいたのに、どうやって物置に入ったんだ?

「いやぁ、一期一振。お前がそんなに驚いてくれるなんて嬉しいよ」

「驚かされた身にもなってくださいよ!」

苛立ちからか、予想していたよりも大きな声が出た。それと同時に(蛍丸が怯えているかも)と先程の自分の声量を恥じた。
/ 58ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp