• テキストサイズ

(HQ) プラトニック・ラブ

第1章 プロローグ



 兄はちょっとした有名人だった。

 背も声も人一倍大きくてどこにいても目立つし、さらにエースなものだから「ちょっと」というか、あるスポーツに関しては全国的に有名らしかった。

 期待と不安を一身に背負う
 梟谷エース、──その背中。


「俺に寄越せェェェ!!」


 彼は、翔ぶ。
 気の遠くなるような高い、高い、壁を越えて。誇らしげに、天高く。

 兄が試合に出れば、スカウトが集まる。兄がボールを呼べば、誰もが彼に視線を送る。

 兄のスパイクが決まれば敵も、味方も、会場の空気も、すべてが一瞬凍りついて、刹那。









  それらはすべて、
     ──歓声に変わるのだ。










/ 96ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp