第10章 理科の点数
光は少し困っていた。光はそこまで頭がいいわけではない。英語と数学と理科は壊滅的にダメなのだ。そんな光だったのだが少し前理科のテストがあり、それが今日帰ってくるのだ。あいにく、理科の担任はあまり好きじゃないうえに先日のトラブルでバイパーの事が頭から離れなくて理科のテストにあまり手をつけられていない状態だったのだ。
そんな光に気付いた英美は苦笑をしながらドンマイと星をつけそうな勢いで光に言ったのだ。光は英美の態度にかなりムカついたが名前を呼ばれてしまったため席から立ち上がり前へと進む。
「なんだ、この点数は」
ピラッと光のテストをクラスに見えるように前へと掲げる。光は少し動揺したが、顔には出さずにテストの紙を奪い取る。
「私がどんな点数をとろうと私の勝手……自慢するしか脳の無い貴方にはわからないこと」
「なっ!なんだと!?」
「だいたい……聞いてもいないのに自慢してくる人って、嘘ばかり喋るんですよね……。どうせ貴方も嘘でしょ?本当にそんな凄いところに出たのならいちいち自慢なんかしないから。バカみたい」
言いたいことだけ言って席につく光にクラス中から拍手が与えられる。理科の担任はあまり好まれていないせいか光が言い返してくれて本当に良かったのだと思ったのだろう。愛美や京子を除いて。
顔を赤くした後、次に目をつけたのはツナで。ツナが顔を真っ赤にしているときに獄寺がやって来て大騒ぎになったのは言うまでもなく。それに興味も示さないで英美と喋っていた光の姿もみられたとか。