第2章 ヒトメボレ
「はぁ…………。」
あの運命の出会いから1週間…
彼女が着ていたジャージ―――月崎商業高等学校。
制服が可愛いと有名で、女子生徒が多い。
そこへ行って彼女を毎日探していた。
けれど見つからなかった。
会いたい。
会えない…。
「百合、帰るぞ」
「桜ちゃん…」
「何泣きそうな顔してんだよ」
「会いたいよぉ…」
「は?」
ふぇぇ…と情けない声が漏れる。
視界が濡れてよく見えない。
これが恋、なんだ。
つらいなぁ、なんて呑気に考える。
頭では冷静なのに体はそうではないみたいだ。
ひっきりなしにぽろぽろと涙が頬を伝う。
「…恋ってのはつらいもんなんだな?」
「…ん」
桜ちゃんに涙を拭われる。
桜ちゃんイケメン。惚れちゃう。
『薊さんが泣いてる…』
『かわいい…』
『ペロペロ(^ω^)』
『百合ちゃんどうしたんだろ…』
「…駅前のクレープ」
「だべる"ゔ」
「よし」
行くぞ、と言われる前に足早に教室を出た。