第1章 仲たがい
信ちゃんは、教室の窓からボーッと校庭を眺めていた。
『信ちゃん…』
『おん…何や、すばるか、どないしてん?』
『どないしてん?やないわ、それは、こっちのセリフや、ったく。信ちゃん、最近、きみくんと話しとらんやんか。先週まで普通に喋っとったのに、』
『…ああ、その事か。別になんでもあらへん。』
『なんでもあらへん、て…どう見ても、今の信ちゃんたち、おかしいやん!』
『おかしいこと、ないわ!』
『何で急に怒り出すン?おかしいやん!』
『せやから、おかしいこと、ないて‼』
『どう見たっておかしいって‼』
『…ああ、もうしつこいなぁ‼何でもない言うてんのやから、何でもないねん‼』
『だって…おかしいやん…』
『…あんなぁ…ホンマ、怒るぞ‼』
…信ちゃんは、絶対何か隠してる…
なのに、俺には何も言うてくれない…
ぶっちゃけてくれない信ちゃんに若干不信感を抱きながら、何も言わず教室から出た。