【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第13章 氷の国王と氷の貴公子
支度が終わり、
パーティーのために
ガラスの靴を履いて歩いて行く。
エントランスの扉が開かれて、
眩しい陽ざしに包まれた先には
ルイの姿があった。
ルイ「・・・行こうか」
シュタインに向かうため、
私とルイは車に乗り込んだ。
・・・・・・・・・・・・
ルイ「・・・・・・・・・」
車に揺られるルイの表情は、
どこか堅い。
「・・・どうかしたの」
ルイ「・・・なんでもない」
ルイが微かに目を細めると、
スモークガラス越しに見慣れない景色が映る。
(・・・ここが、シュタイン王国)
ガラス越しに流れる景色を見つめていると、
水辺に建つ立派な建物が
目に飛び込んできた。
(あれがシュタイン城・・・。随分、ウィスタリアと雰囲気が違う・・・)
・・・・・・・・・・・・
シュタイン城の正門をくぐり、
お城の中を進んで厳かな扉をルイが叩く。
(・・・・・・この扉の向こうに、シュタインの国王ゼノ様がいる・・・)
ルイと扉を開けると、
そこには・・・・・・
ゼノ「ハワード、遠いところから御苦労だったな」
ルイ「ああ、今晩は世話になる」
(・・・この方が、ゼノ様)
だた座っているだけなのに
威厳や風格を感じる。
ルイとゼノ様の会話を聞きながら
見つめていると、
ふっと視線が重なる。
ゼノ「こうして話すのは初めてだな」
「はい、お招き頂きありがとうございます」
ゼノ「ゆっくりして行くといい」
ゼノ様が視線を伏せると、
扉がノックされて
眼鏡をかけた男性が入って来る。
アルバート「プリンセスの荷物はこちらでお預かり致します」
ルイ「・・・ああ、頼んだ。アルバート」
ルイはそう言うと、
代わりに持ってくれていた私の荷物を
アルバートさんに渡した。