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【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)

第12章 ワインとダンスと貴方と本音





(・・・・・・眩しい・・・)

 いつもより眩しい陽ざしに
 ゆっくり瞼を持ち上げると、
 見慣れない高い天井が視界に広がる。

(あれ・・・)

「・・・・・・どこ」

ルイ「・・・・・・ん・・・っ・・・」

「・・・・・・え」

 耳慣れた声に
 ゆっくり視線を落として、
 その瞬間息を呑んだ。

「・・・っ・・・」

 鈍い頭の痛みで
 昨夜のことが
 ゆっくり思い出されていく。

(・・・そっか、ワインのテイスティングで酔って・・・)

 頭の鈍い痛みを
 空いている方の手で押さえながら、
 もう一度視線を落とす。

(・・・腕、離さないと)

 ルイを起こさないように、
 ゆっくり抱きしめている腕を
 解こうとすると・・・・・・

ルイ「・・・・・・駄目」

「え・・・」

 掠れた声がしてルイを見つめると、
 ルイの焦点が
 次第にはっきりしてくる。

ルイ「・・・・・・・・・・・・じゃない」

(・・・・・・)

ルイ「・・・離して」

「はい・・・」

 腕を解いて、
 私たちはゆっくり起き上がる。

ルイ「覚えてる?」

「・・・眠る前までは」

ルイ「・・・君がぬいぐるみを抱っこするみたいに、離してくれなかっただけだよ」

「・・・ごめん」

ルイ「もう、気にしてない」

 ルイが立ち上がったのを見て
 私も立ち上がった瞬間、

(・・・・・・!)

ルイ「・・・・・・!」

 二人同時に顔を歪める。

「・・・・・・背中、痛い」

ルイ「・・・もう、床では寝ない」

 ぽつりと呟いて、
 すたすたと歩いて行くルイの背中を、
 頭と背中の鈍い痛みを抱えながら
 私は追いかけた・・・――。



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