【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第12章 ワインとダンスと貴方と本音
ルイ「・・・・・・俺まで酔ったよ」
いつもより
どこか柔らかい声が落ちてきて、
隣にルイが寝そべった気配がする。
静かな夜に、
二人分の息遣いだけが響いていく。
穏やかな静寂に目を閉じると、
ルイの涼やかな声が聞こえてきた。
ルイ「・・・・・・どうして君は・・・、自分のためにならないことに向かって頑張れるの?」
不意に尋ねられた問いかけに、
まだぼんやりとした頭で答えていく。
「・・・・・・私は、頑張ってなんか、いない」
天井を見つめたまま、
言葉を重ねていく。
「頑張るって、何かに一生懸命になるってことでしょ?・・・私は、一生懸命やってるわけじゃない。・・・ただ、周りに認められたいだけ」
ルイ「・・・・・・・・・」
ルイが微かに息をつく気配がした。
「・・・けど、それを言うならルイだって」
ルイ「・・・どういう意味」
「・・・自分のためにならないのに、ワインのこと教えてくれたり・・・さっきだって」
(ダンスに付き合ってくれた・・・)
ルイ「・・・俺は、より自分の利益になる仕事を選んでる」
(・・・自分の、利益・・・)
ルイ「自分にとって何がプラスになるか。・・・俺は、そんなことしか考えてない人間だよ」