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【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)

第12章 ワインとダンスと貴方と本音


(・・・?)

「ルイ・・・?」

 視線をルイに向けると
 ルイはカウンターに手をつき、
 私がメモを取っていたノートを
 見つめていた。

ルイ「・・・勉強熱心なんだね」

「・・・別に。自分がただ、恥をかきたくないだけ」

 視線を伏せて呟くと、
 隣でルイが微かに笑った気がした。

ルイ「・・・それじゃ、ちょっとだけ教えてあげる」

「え・・・」

 驚く私をよそに、
 ルイはワインのボトルを手にする。

ルイ「ウィスタリアはこの白ワインが一番有名」

 グラスにワインを注ぎながら、
 ルイが言う。

ルイ「・・・で、シュタインの有名なワインは赤。・・・・・・聞いてる?」

 呆然としてルイを見つめる私を
 ルイが覗き込む。

「あ・・・はい」

ルイ「・・・なら、いいけど」

(・・・びっくりした。まさか、ルイが教えてくれるなんて思ってなかった・・・)

 ルイは本を指差すと、
 言葉を重ねていく。

ルイ「赤ワインが有名だけど、実はシュタインが誇るのはデザートワインなんだ」

「へえ・・・意外。デザートワインって確か、食後によく出てくるのでしょ?」

ルイ「そう。・・・けど、食前に飲んでもいいんだよ。正確なルールなんて、ないんだ」

「そうなんだ」

(なんだか・・・今日のルイは珍しく饒舌。それに・・・)

ルイ「それで・・・」

(・・・なんか楽しそう)

 丁寧に説明してくれる
 ルイの言葉を聞いてメモを取りながら、
 ワイングラスを傾けていった。

 ・・・・・・・・・・・・

(・・・・・・あれ、なんかふわふわする)

 時計の針が12時をとっくに過ぎた頃、
 ワインのテイスティングをしすぎたせいか
 頭がぼんやりとする。

ルイ「・・・大丈夫?」

 私の異変に気づいたルイが、
 声をかけてくれる。

「ん・・・平気」

(・・・そうだ)

「ルイ、ダンスしない・・・?」

ルイ「・・・ダンス・・・・・・?」


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