【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第10章 プリンセスと秘書
それから、瞬く間に日が流れ・・・
プリンセス終了まで、残り80日・・・。
プリンセスとして振る舞うことにも慣れ、
スムーズに
公務をこなせるようになってきた
この頃。
私は、官僚と書類の山に囲まれていた。
官僚「ではプリンセス、こちらにサインを」
「はい」
官僚2「こちらには調印を!」
「・・・はい」
官僚「それから・・・・・・」
(ま、まだあるの・・・)
レオ「はいはい、ストップ」
次々と
執務机の上に置かれていく書類の束に
目眩を覚えると、
耳慣れた声が聞こえた。
ゆっくりと声の方に視線を向けると、
そこには・・・・・・
「レオ・・・」
レオ「頑張ってるね、零ちゃん」
レオは柔らかく微笑むと、
官僚の手から書類をすっと取り上げる。
そして軽く目を通すと、
官僚に告げた。
レオ「これは俺でもできるから、俺の執務室に持って行って。それに・・・プリンセスにも、少し休憩が必要だからね」
官僚「かしこまりました、レオ殿」
官僚の人たちは深く頭を下げると、
執務室から出て行った。
「・・・ありがとう、レオ。助かった」
小さく息をついて、
レオを見上げる。
レオ「どういたしまして、プリンセス。・・・それにしても、凄い量だね」
レオは机に寄りかかると、
積まれた山のような書類を見て
苦笑いした。
「・・・ほんと、猫の手でも借りたいくらい」
つられて私も苦笑する。
――・・・大成功した親善パーティーは、
城下で行ったということもあり
大々的に報じられた。
その日から、
私のプリンセスとしての仕事は、
目に見えて忙しくなっていた。