【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第10章 プリンセスと秘書
「・・・・・・は?」
足を止めたルイが、
肩越しに振り返る。
ルイ「・・・待たないから、追いついて」
少しだけ、
いつもより柔らかくなった声が
夜風に乗って私に届く。
「・・・っ・・・うん」
頷いて足を踏み出すと、
ガラスの靴が音を立てる。
(・・・この背中を、追いかけたい。・・・追いかけて行きたい)
自分の中で、
何かが変わろうとする予感を
確かに感じる。
広場に揺れる
この淡いキャンドルの灯りのように、
胸の中がじんわりと暖かくなった。
(ルイの笑顔を、少しでも多く見られたらいい・・・)