【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第9章 親善パーティー大作戦
――・・・まだ賑やかさが残る広場に、
淡いキャンドルの灯りが揺れる。
「急なお願いだったのに、こんなにたくさん集まって頂いて・・・ありがとうございました」
街の人1「これくらい、どうってことねえよ」
街の人2「突然、プリンセスが『キャンドルに火を灯すのを手伝ってほしい』って現れた時には、驚いたけどな」
街の人の豪快な笑い声が、
広場に響いていく。
「このキャンドルが、私と皆さんを繋ぐ灯火になったら・・・って思ったんです」
ゆらゆらと揺れるキャンドルを見つめて、
ぽつりと呟く。
街の人3「・・・もうなってるよ」
「え・・・」
街の人3「人手なら、いくらだって城の奴らで足りるだろ?なのにあんたは、俺たちを頼った」
街の人4「そうだよ、プリンセス自身が私たちを繋いだんだよ」
(・・・みんな・・・・・・)
キャンドルを灯してくれた
街の人たちと話していると、
不意に後ろから声をかけられた。
令嬢「・・・御機嫌よう」
「・・・?」
ゆっくり振り返ると、
そこにはお披露目パーティーで出会った
令嬢の方々が立っていた。
「・・・いかがでしたか?」
小さく口元に笑みを乗せて尋ねると、
悔しそうな表情を浮かべる。
令嬢2「まあ、合格点だったけど・・・一つだけいいかしら」
「はい・・・」
令嬢「よく、聞いておくことね。・・・貴女は所詮、100日間限定のプリンセス」
「・・・ええ」
令嬢「そんな偽物のプリンセスが、気易くルイ様に近づかないことね」
(・・・口を開けばルイ様ルイ様って・・・・・・)
「・・・ハワード卿は、貴女たちの物じゃない。肩書きしか見ていない貴女たちに、ハワード卿の何が分かるの」
令嬢2「なっ・・・・・・」
「それに100日間どう過ごすのかは、私が自分で決める。・・・例え、偽物だって言われても」
(ここで過ごす100日間は、決して誰にも渡さない・・・)
令嬢「・・・っ・・・」
きっぱりと言い切ると、
背中に温もりが触れて
肩に手が添えられる。
(え・・・・・・)
ルイ「・・・・・・この子に何してるの」