• テキストサイズ

【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)

第9章 親善パーティー大作戦







 ウィルツ国王、
 そして周囲の来訪者に囲まれて
 微笑む零を、
 ルイは少し離れた場所から見ていた。

ユーリ「・・・ほーんと、真っ直ぐな人ですよね」

ルイ「・・・ユーリ」

 ユーリは真っ直ぐ前を見つめて、
 笑みを零す。

ユーリ「ほら、キャンドル運ぶの手伝わされたから俺まで蝋まみれですよ」

ルイ「・・・ごめん」

ユーリ「・・・零様がプリンセスになることを反対してたルイ様が、どうして謝るんですか?俺には無理に遠ざけようとしてるように見えますけど」

 ルイが目を見開くと、
 ユーリがいつもの笑みを零した。

ユーリ「ダンスホールで零様が言った言葉、聞いてましたよね」

ルイ「・・・どうして知ってる」

ユーリ「俺は、有能な執事ですから」

ルイ「・・・・・・・・・」

 ルイは何かを思い出すように、
 目の前にある
 キャンドルの灯りを見つめた。

ユーリ「・・・・・・このキャンドル、クロード様が一枚噛んでますよ」

ルイ「・・・クロードが」

ユーリ「遠ざけようとしてるのは、・・・守るためかもしれませんけど。そばにいて守る人も必要だって、俺は思うんですよね」

ルイ「・・・・・・・・・・・・」

ユーリ「・・・100日間のプリンセスだから、守れるんじゃないですか」

 ユーリの言葉を受けて、
 ルイは遠くにいる零を見つめる。

 その横顔は
 キャンドルにぼんやりと照らされていて、
 ひどく眩しいものを見るように
 ルイは目を細めた。

ルイ「・・・ありがとう、ユーリ」

 それだけ言い残すと、
 ルイは迷うことなく
 零の元へ歩き出した・・・。
/ 221ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp