【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第9章 親善パーティー大作戦
ウィルツ国王、
そして周囲の来訪者に囲まれて
微笑む零を、
ルイは少し離れた場所から見ていた。
ユーリ「・・・ほーんと、真っ直ぐな人ですよね」
ルイ「・・・ユーリ」
ユーリは真っ直ぐ前を見つめて、
笑みを零す。
ユーリ「ほら、キャンドル運ぶの手伝わされたから俺まで蝋まみれですよ」
ルイ「・・・ごめん」
ユーリ「・・・零様がプリンセスになることを反対してたルイ様が、どうして謝るんですか?俺には無理に遠ざけようとしてるように見えますけど」
ルイが目を見開くと、
ユーリがいつもの笑みを零した。
ユーリ「ダンスホールで零様が言った言葉、聞いてましたよね」
ルイ「・・・どうして知ってる」
ユーリ「俺は、有能な執事ですから」
ルイ「・・・・・・・・・」
ルイは何かを思い出すように、
目の前にある
キャンドルの灯りを見つめた。
ユーリ「・・・・・・このキャンドル、クロード様が一枚噛んでますよ」
ルイ「・・・クロードが」
ユーリ「遠ざけようとしてるのは、・・・守るためかもしれませんけど。そばにいて守る人も必要だって、俺は思うんですよね」
ルイ「・・・・・・・・・・・・」
ユーリ「・・・100日間のプリンセスだから、守れるんじゃないですか」
ユーリの言葉を受けて、
ルイは遠くにいる零を見つめる。
その横顔は
キャンドルにぼんやりと照らされていて、
ひどく眩しいものを見るように
ルイは目を細めた。
ルイ「・・・ありがとう、ユーリ」
それだけ言い残すと、
ルイは迷うことなく
零の元へ歩き出した・・・。