【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第8章 冷たい瞳のその奥に
――・・・翌日から、
親善パーティーに向けての準備が始まった。
(・・・音楽の都、ウィルツか)
「・・・レオ、このウィルツの国王様ってどんな方?」
レオ「すごく気難しいって噂だよ」
(・・・それじゃ、あのご令嬢たちが言ってたのと同じ・・・)
レオの顔を見つめたまま、
大きなため息をつく。
レオ「・・・あ。零ちゃん今、俺のこと使えないって思ったでしょ」
心外だ、とでも言いたげに
レオが眉を寄せる。
「・・・解ってるならもっと役に立つ情報、教えてよ」
レオ「ごめんごめん」
(・・・・・・疲れる・・・)
レオの軽い調子に
幾度目かのため息をついた瞬間、
執務室の扉がノックされた。
レオ「次のお迎えかな?」
本から視線を上げると、
そこには腕を組んで怪しく微笑む
ジルが立っていた。
ジル「レオとの勉強が終わったら、・・・私の出番ですね」
「・・・・・・・・・」
妖艶な笑みを浮かべるジルを見て、
私はまたため息をついた・・・――。