【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第8章 冷たい瞳のその奥に
――・・・レオと別れて、
中庭のベンチに座る。
(・・・何かあると、必ずここに来たくなるな)
初めてここに来たあの日から、
ここは私にとって唯一
心が落ち着ける場所になっていた。
目の前の噴水から流れ落ちる水を
見つめたまま、
レオの話を思い出していく。
ルイ「・・・・・・・・・」
レオ「ルイ、どうしたのこんなところで」
ルイ「レオ・・・。今日は、たくさんの人と関わったから・・・疲れた」
レオを見上げるルイの顔には、
たくさんの令嬢に言い寄られた
疲労の色が浮かんでいた。
レオ「・・・そっか。公爵の立場に群がる子は、たくさんいるからね」
レオが座ると、ルイが掠れた声で呟く。
ルイ「・・・選べない」
レオ「ん・・・?」
ルイ「好きでもないのに、俺がその子を選んだら、その子は誰に愛されればいい・・・?」
ルイの瞳には、
どこか遠い昔を思い出しているような
深い色が浮かんでいる。
ルイ「・・・あんな思いを人にさせるくらいなら・・・っ」
レオ「・・・・・・・・・ルイ?」
レオの呼びかけに、
ルイは現実に引き戻されたように
はっとして、そのまま立ち上がった。
ルイ「ごめん・・・、今のは聞かなかったことにして」
(・・・ルイは、私と同じなの・・・?)
考えれば考えるほど、
頭が混乱してわからなくなる。
感情だけが空回りして、
頭がまったく追いつかない。
「・・・解らない・・・」
空を見上げて呟いた瞬間・・・・・・