【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第6章 プリンセス、始めます。
報道記者2「王位継承者のお三方は、プリンセスについてどうお思いですか!」
記者がずいっとマイクをルイに向ける。
ルイは一瞬だけ記者に視線を送ると、
ぽつりと呟いた。
ルイ「・・・・・・別に。彼女はまだ、プリンセスになったばかりだ。どう思うかは、これからだと思うけど・・・」
ルイの言葉に記者は
一瞬呆気にとられたけど、
すぐにカインにマイクを向けた。
報道記者2「カイン様は!」
カイン「そうですね・・・とてもしっかりした方なので、これからどんなプリンセスになるのかが楽しみです」
普段とは全く違う応対に、
思わずカインを見上げる。
(・・・・・・猫被り)
目だけでカインを非難すると、
カインは私にだけ分かるように
くっと口角を上げた。
「・・・・・・」
(・・・やっぱり、嫌な奴)
誰にも気づかれないように
視線を伏せて、ため息をつく。
報道記者2「ノア様はどう思われますか!」
ノア「んー・・・?零はいい子だからいーと思う」
ノアは相変わらず、緩い雰囲気で笑う。
ルイ「ノア、公の場では零じゃなく、ちゃんと『プリンセス』って呼んで」
ノア「あー、ごめんー」
ルイに注意されても、
ノアは変わらずへらっと笑った。
そうして私は次々と飛んでくる質問に、
できる限り丁寧に答えていった・・・――。
報道記者「では零様。最後に、どんなプリンセスになりたいですか?」
「そうですね・・・」
(・・・私は・・・)
一瞬だけ視線を伏せて、
小さく息を吐き出す。
そして、集まった報道陣を
ゆっくり見渡しながら口を開いた。
「・・・私は、前代未聞のプリンセスになりたいと思います」
報道記者「・・・?」
首を傾げる報道陣を真っ直ぐ見据え、
私は小さな笑みを浮かべた・・・――。