【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第4章 運命のカウントダウン
廊下に出ると
ユーリが窓に頬杖をついて外を眺めている。
「ユーリ」
声を掛けると、
ユーリがゆっくり振り返って
大きな瞳を瞠った。
ユーリ「・・・・・・零様、綺麗・・・」
ぱちぱちと何度か瞬いて、ぽつりと呟く。
「・・・・・・恥ずかしいから、あんまり、見ないで・・・」
あまり言われ慣れていない言葉に、
思わず視線を伏せる。
ユーリ「あ、零様が照れてる」
笑みを含んだユーリの声に、
私は少しむっとする。
「・・・照れてない。恥ずかしいって言ったの」
ユーリ「それを照れてるって言うんじゃないの・・・?」
悪戯っぽい笑みを浮かべて
私を覗き込むユーリを一瞥して、
小さく息をつく。
「・・・勝手に言ってて」
そう言って、長い廊下を歩き出す。
ユ「あ!零様、待ってよー」
後ろから追ってくるユーリの足音に、
私は心の中で
小さく笑みをこぼした・・・――。