【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第26章 夢√編 魔法の解けたシンデレラ
(いつか知るのなら、私がここからいなくなってからでいい・・・)
ユーリ「・・・・・・その嘘に気づいたのに、零様はここから出て行くの?」
「・・・・・・そう、だよ。ルイはきっとまた・・・、私を遠ざけることで守ろうとしてくれてる。・・・・・・こんなに大きな嘘をつかなきゃいけないくらい、大きな何かがあるんだと思うから」
ユーリ「そっか・・・・・・」
複雑そうな笑みを浮かべたユーリが、
不意に真面目な表情になる。
ユーリ「でも・・・、零様は本当にそれでいいの?」
「・・・私が、大人しく黙ったままでいるとでも思ってるの・・・?」
にやりと口元を歪めると、
ユーリは大きな瞳を更に大きく見張った。
そして腰に手を添えると、
いつも通りの笑みを浮かべて笑った。
ユーリ「さすが零様、そうこなくっちゃ!」
笑い合うと、
ユーリが思い出したように声を上げる。
ユーリ「あ、それじゃちょっと待ってて」
片目を瞑ると、
ユーリは部屋から飛び出して行った。
・・・・・・・・・・・・
ユーリ「お待たせ、零様」
戻ってきたユーリの手には、
見覚えのある物が握られていた。
「これ・・・・・・」
ユーリ「あ、そうそう。零様、携帯持ってるよね?」
「・・・?持ってるけど・・・」
ユーリ「それ、俺に預からせてくれる?」
「・・・え」
ユーリ「プリンセスは原則、国の機密を守るために携帯は禁止なんだ」
「・・・・・・解った」