【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第25章 夢√編 優しい嘘と最後のキス
(じゃあなんで・・・・・・)
「・・・・・・どうして・・・なんで好きだなんて、言ったの・・・」
ルイ「・・・・・・っ・・・」
(・・・絶対に何かを隠してる)
「・・・どうして・・・。・・・せめて100日間の終わりまで、次期国王になることを待つことはできなかったの・・・?」
言葉を言い終えると、
目の前のルイの表情が崩れていく。
ルイ「・・・・・・それは」
「・・・っ・・・」
(・・・ルイはただ、守りたいものを守る決断をしただけだ)
私には、
その決断を否定する権利はない。
(でも・・・、素直に受け止めることなんて・・・出来ないよ・・・・・・)
これ以上ルイに感情のまま
言葉を投げてしまうのが怖くて、
自分が傷つくのも怖くて。
私はそっと、
自分の手首を掴んでいるルイの手を解いた。
「・・・ごめん、もう戻るね」
ルイ「・・・・・・・・・」
立ち尽くすルイに背を向けて、
私はその場から逃げるように歩き出した。
ズキズキと痛む胸を押さえたまま、
暗い廊下を早足で歩く。
ルイから離れた場所まで来ると、
私はその場にしゃがみ込んだ。
「・・・・・・っ」
膝を抱えて蹲った瞬間、
手にしていた飴の瓶が
音を立てて転がり落ちる。
「ルイ・・・・・・」
ルイ「口、開けて」
「・・・バニラの飴・・・」
(・・・甘い)
ルイ「これで、・・・時間が止まったらいいのに。・・・そう、思っただけ」
瓶を拾おうと手を伸ばして、
自分の手が震えていることに気づく。
(・・・一緒に笑い合っていた時のまま、時が止まったらいいのに・・・・・・)
拾い上げた瓶は、
まるで今の私の心の中のように
ひどく冷たかった。
(・・・ルイが決めたことだから、本当は笑って応援したいのに・・・。今はそれが、・・・・・・出来ないよ)