【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第24章 夢√編 時期国王と星のない夜
カイン「どうせルイが腹をくくったお祝いでもしに行くんだろ」
「腹を括った・・・?」
カイン「あ?・・・あいつが次期国王になる決断を下したこと、聞いてねえのかよ」
(ルイが次期国王に・・・。そんなの、聞いてない・・・)
突然の言葉に驚いていると、
ノアが柔らかく笑った。
ノア「カインー、俺らも今国王陛下から聞いたばっかりだし、零がまだ知らないのは仕方ないんじゃないー?」
「・・・・・・・・・」
ノアがいつもみたいに柔らかい言葉で
カインに尋ねる。
だけど私は、
さっきから違和感を感じていた。
急に黙ってしまった私を、
カインが鼻で笑う。
カイン「お前、俺らが落ち込んでるとでも思ってんなら、とんだ見当違いだからな」
「・・・・・・は?」
カイン「ルイが次期国王になることが一番望まれてんのは、周知の事実だろ。ルイが決めたならそれを支えんのが、俺らの役目だ」
(カイン、何か勘違いしてる・・・)
でも、
カインの何の揺らぎもない言葉が
すとんと胸の真ん中に届いた。
ノア「うん、それに俺は興味ないし。ルイ、好きだし」
カイン「・・・・・・ったく、お前はまた呑気なこと言いやがって」
カインとノアのやり取りを
ぼんやりと眺めながら、
三人の関係を想う。
(・・・きっと、この三人の中には、私たちには見えない絆みたいなものがしっかりとあるんだろうな)
そう思うと、
なんだか私まで嬉しくなった。
カイン「・・・ちっ・・・なんでてめえにこんな話してんだ。・・・とっとと行け」
カインが視線を逸らすと、
ノアが私の顔を覗き込んだ。
ノア「ルイのとこ行くんでしょ?」
(・・・そうだ、ルイに会わないと)
「うん。カイン、ノア。二人とも、おやすみ」
カイン「ん・・・」
ノア「零もおやすみー」