【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第23章 偽物王子の大きな覚悟
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ルイが零の部屋から出ると、
そこには
悠然と歩くクロードの姿があった。
ルイ「・・・・・・クロード」
ルイの声にクロードは足を止めると、
微かに首を傾けた。
クロード「奇遇だな、これからお散歩か?」
ルイ「・・・・・・そうだね」
ルイはクロードを一瞥すると、
その脇を通り過ぎる。
そして
ふっと足を止めてクロードを見上げると、
きっぱりと言い放った。
ルイ「プリンセス・・・零だけは・・・・・・絶対に、手出しさせない」
クロード「何の牽制だ?王子様が、立派なナイト気どりだな」
ルイ「・・・そうだ」
ルイは揺るぎない瞳をすっと向ける。
クロード「・・・・・・・・・」
ルイ「俺は零を守る。俺だけの・・・大切なプリンセスだから」
言い終わると、
ルイはそのまま振り返ることなく
廊下を歩いて行った。
ジルの部屋にノックの音が響いて、
扉が開かれる。
ジル「ハワード卿、どうかされ・・・」
ルイ「ジル」
いつものルイとは全く違う声音に、
ジルは書類から視線を上げる。
ルイ「ジル。早急に整えてほしい」
ジル「それは・・・?」
ルイ「俺がウィスタリアの次期国王になるための準備だ」
ジル「・・・・・・・・・」
ルイ「そして、国王陛下に伝えてほしいことがある。・・・・・・たった、一つの願いを叶えてほしい」