• テキストサイズ

【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)

第21章 貴方が守る、大切な場所



(・・・やっぱり)

 目に入ったルイの表情が、
 一瞬だけ陰った。

 少しだけ乱れた息を整えて、
 ルイの腕をそっと掴む。

ルイ「・・・・・・?」

「ルイ、何かあったでしょ」

ルイ「・・・え」

「・・・院長に挨拶に行って戻って来てから、少しだけ・・・悲しそう」

ルイ「・・・・・・・・・」

 ルイの腕が、私の頭を抱き寄せる。

ルイ「・・・少し、夢を見ただけ」

「夢・・・?」

ルイ「君と離れてた時に見たんだ」

「・・・孤児院で?」

ルイ「・・・そう」

 ルイは何かを思い出すように呟く。

ルイ「・・・君が、いなくなる夢を見た」

「・・・・・・私が、いなくなる夢」

ルイ「嫌だって叫ぶのに、君には届かなくて。・・・手を、上手く伸ばせなかったよ」

(・・・何か、隠してる・・・)

 直感的にそう感じたけれど、
 口に出すことは出来なかった。

「・・・私は、いなくならないよ。いなくなれって言われても、無理だから」

ルイ「・・・・・・うん」

 腕を解いて、
 私を見つめるルイの瞳に自分が映る。

ルイ「・・・・・・・・・離したく、ない」

 返事の代わりに、
 私はルイをきつく抱き締めた・・・――。
/ 221ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp