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【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)

第20章 初めての遊園地







 それからしばらくして・・・・・・

 私の過去の報道も
 ジルの迅速な対処のおかげで
 だいぶほとぼりも冷め、
 いつも通り私は公務をこなしていた。



レオ「・・・この間、見ちゃったんだよね」

 帝王学の講義中、
 レオが突然、ぽつりと呟いた。

「・・・何を」

 ペンをノートに走らせながら問いかけると、
 レオがくすりと笑う気配がした。

レオ「ルイと零ちゃんが、キスしてるところ」

「・・・・・・っ・・・」

 さらりと発せられた言葉に
 手を止めて目を見開くと、
 レオは可笑しそうに肩を揺らす。

レオ「冗談で言ったのに、そんな反応してくれると思わなかったよ」

「・・・・・・・・・」

(・・・レオの冗談に、まんまと引っかかるなんて)

 無言のままレオに非難の目を向けると、
 レオが今度は困ったように笑う。

レオ「ごめんごめん、そんなに怖い顔しないでよ」

 ふいっと視線を逸らして
 再びペンを走らせ始めると、
 レオが机に腕をついた。

レオ「これは冗談じゃないけどさ。ルイのそばに零ちゃんがいてくれて、よかったよ」

 その言葉に、
 前にレオが話してくれた
 ルイの言葉が頭を過った。


ルイ「・・・選べない」

レオ「・・・?」

ルイ「好きでもないのに、俺がその子を選んだら、その子は誰に愛されればいい・・・?」


「・・・ルイが望んでくれるなら、私はそばにいたい」

レオ「そっか」

「それに私にはもう帰る場所がないから、例えルイがどんな道を選んでも、ずっとそばにいられるでしょ?」

レオ「零ちゃん・・・。ルイのこと、初めて羨ましいと思っちゃったよ」

「・・・なんで」

レオ「零ちゃんは特別だけど・・・俺、女の子には不自由してないから」

「・・・・・・。そうですか」

 楽しそうに笑うレオに
 冷めた視線を送ると、
 不意にレオが机の引き出しを開けた。

(・・・・・・?)

レオ「それじゃ、毎日頑張るプリンセスに心優しい官僚からプレゼント。それと、その王子様にもね」

 レオが楽しそうに首を傾けた瞬間、
 扉がノックされる。

(誰・・・?)



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