【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第18章 境界線のその先に
「・・・だから、・・・貴方を好きで・・・いてもいい?」
ルイ「・・・君は大馬鹿だよ」
雨に濡れた髪が、
ルイの手で掻き乱されていく。
抱き締めていた腕を離すと、
ルイは私の手を優しく取って持ち上げた。
「ルイ・・・?」
ルイ「君を求めることを・・・許してほしい」
「え・・・ル・・・っ」
手の甲に、ルイの唇が触れた。
ルイ「俺は、君が好きだよ。・・・君が想うより強く」
甲からゆっくり、唇が離れていく。
「・・・許してなんて、言わないで」
ルイ「・・・なら、なんて言えばいい?・・・こんな時、なんて言えばいいかわからない」
戸惑うような
はにかむようなルイの表情は、
今まで見た中で一番綺麗だった。
「・・・・・・もう一度、好きって言って」
ルイ「・・・うん。君が・・・好き」
雨で濡れた指先に
顎をすくい上げられて、
唇に吐息が触れる。
ルイ「零・・・」
名前を呼ばれて視線を上げると、
唇が重なった。
「・・・っ・・・、ん・・・っ・・・」
(・・・ルイ、好きだよ)
ゆっくりと唇が離れると、
ルイは小さく笑みを零した。
「・・・?なに・・・?」
ルイ「好きだって言って、キスをしたら・・・胸が熱いよ」
その言葉に、私も笑顔になっていく。
「・・・私も」
二人で小さく微笑み合うと、
ルイがふっと視線を上げた。
ルイ「・・・雨が、止んだ」
ルイの言葉に同じく上を見上げると、
今までの雨が嘘のように
晴れ間が広がっている。
あまりにも空の色が綺麗で、
吸い込まれるように空を見上げる。
「・・・本当、綺麗だね、ルイ・・・ん・・・っ・・・」
見上げたまま呟くと、
その角度のまま今度は深く、
唇が重なっていく。