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【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)

第16章 初めて触れた貴方の心



 私とルイの間にあるもの
 全部を抱き締めるように、
 離れた体を抱き直す。

(ルイ・・・)

 冷えた頬と頬が擦れて、
 温かいものが頬に触れる。

 それがルイの涙だと気づいて
 私は静かに口を開く。

(プリンセスとしてでもいい、秘書としてでもいい・・・)

「・・・・・・ルイがどんなに拒んでも、私はルイのそばにいる。だから・・・覚悟、してね?」

 ルイの心に届けたくて、
 言葉を選んでそれだけ言うと、
 頭に手が添えられる。

ルイ「・・・・・・零」

(・・・・・・ルイ)

 ルイに抱き締められながら、
 私もその体を抱きしめ直す。

(こんな力強い腕で抱き締めてくれるルイを・・・この腕以上の力で、守りたい)

 雨は、まだまだ止みそうにない。

 支え合うように、
 僅かに残る体温で心を温めるように、
 私たちはお互いを抱き締め合ったまま
 その場に立ち尽くしていた・・・――





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