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【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)

第16章 初めて触れた貴方の心







 アランが扉を開けた瞬間・・・・・・

アラン「・・・・・・・・・・・・お前」

ルイ「・・・・・・っ・・・」

 同時に扉が開かれて、
 廊下にルイが立っていた。

 戸惑うようなルイの瞳と
 一瞬視線が重なって、
 胸が大きく音を立てる。

ルイ「・・・・・・・・・・・・」

 何も言わずに
 ルイはその場を立ち去って行く。

(・・・っ・・・・・・)

 その時見えた
 ルイの横顔がひどく辛そうで、
 私は思わずその背中を追いかけた。

「・・・ルイ・・・っ・・・」

 呼び止めると、
 ゆっくりルイが振り返る。

ルイ「・・・・・・今から、会社に行って様子を見てくる」

「・・・力に、なりたい。私も・・・」

ルイ「・・・やめて」

 氷のように冷たい声が廊下に響く。

ルイ「君に、何ができる・・・?」

「・・・っ・・・・・・」

ルイ「お願いだから、・・・・・・・・・放っておいて」

(・・・・・・っ・・・)

 言葉を発した後のルイの表情に、
 胸の奥がズキリと痛む。

「・・・・・・・・・放っておけるわけ、ないじゃない・・・」

 遠くなるルイの背中に、
 手のひらを握りしめると
 背中から落ち着いた声が聞こえた。

ジル「プリンセス」

「ジル・・・」

 暗い廊下にジルが立っている。

「・・・皆は、知ってたんでしょ」

ジル「・・・・・・ええ」

(・・・何かがあるのは、気づいてた)

「・・・・・・ルイを守りたいって言ったのに、何もしてあげられない・・・」

(・・・あんな顔のルイは、見たくない)

「・・・もっとちゃんと気づいていれば、ルイを守れたのに・・・・・・っ」

 何もできない虚しさに
 唇を噛み締めると、
 ジルの手がそっと肩に触れた。

ジル「時期を見て、お話しするつもりでしたが・・・ハワード卿が、それを望んでいないように見えたんですよ」

「ジル・・・?」
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