第6章 あとどのくらいで、君の瞳に映れるのか
そんなある日。
次の島まで大分距離がある為、船は海中を進んでいた。
おれはいつものようにペンギンと今後の航海について、測量室で話していた時だった。
「次の島の情報は無し、か」
「はい。思っていた航路とは違っていたようで…シャボンディ諸島には大分近付いていると思いますが」
“偉大なる航路”の半分。
その先が“新世界”。
本来ならこの調子で進むべきなのだろうが…おれの野望には時期がまだ早すぎる。必要な情報が足りていない。
「とりあえず、船はこのまま進め。シャボンディ諸島なら、ある程度の情報は得られるだろう」
ペンギンは少しだけ心配そうな表情を浮かべたが、何かを見据えたかのように「了解」と答えた。
ペンギンは航海士。次の島の情報が全く無い事に多少の焦りを感じているのだろう。策士家の彼に、未知の世界は不安要素満載なのだろう。