第5章 いい人?
「ありがとうございます。おかげで助かりました」
「気にしないで。なんなら、運ぶのも手伝うよ」
そう言って貰えるのは正直嬉しいが、流石に申し訳なく感じ首を横に振る。
「それは申し訳ないですよ。ただでさえ、集めるの手伝って頂いちゃってるんですし」
「けど一人じゃ運ぶの無理でしょ?さっきもフラついてたし」
「あぁ…ははっ、見られてたんですか」
少し恥ずかしくなり苦笑いを浮かべる。
確かにこれじゃまた誰かにぶつかっちゃうかもしれないなぁ。…ここは素直にお願いしよう。
「じゃあ、お言葉に甘えてお願いしてもいいですか?」
「お安い御用」
そう言って彼は資料を半分ほど持ち、一緒に資料室まで運んでくれた。