第2章 アブノーマルカップル
映画館の外のベンチに座り、ボンヤリと空を見上げる。
飲み物を買いに行っていた沖田先輩が戻ってきて、それを無言で受け取った。その反応に沖田先輩は不満そうに口をへの字に曲げる。
「なんでぃ、機嫌わりーな。嫌じゃなかったろ?あーゆうのも」
そういう問題じゃないし…。
答える代わりに大きく溜め息をつく。
ただデートを楽しみたかっただけなのに、結局こういう事になるのか。…やっぱりセフレとしか思ってないのかな。
そう思うとやはり溜め息が出てしまう。
「…何が不満なんだよ」
俺の隣に座り、暗い表情のままの俺の顔を覗き込んでくる。もういっそハッキリ聞いてしまおうか。
「沖田先輩って、俺の事どう思ってます?」
「は?何いきなり」
怪訝な表情を浮かべ首を傾げてくる。それでも構わず言葉を続けた。言いたい事を全部ぶちまけたかった。