第2章 アブノーマルカップル
そうこうしている内に映画館の前へと着いてしまった。
「お前この中で何観たい?」
「え?あー…先輩が観たいのでいいですよ」
正直どれでもいいし。
「俺はどれでもいいからお前選んで」
「えー…」
そんな事言われても。ポルノなんて初めてだし、どれも同じようにしか見えないもんなぁ。
仕方なく適当に指差し「これでいいです」と沖田先輩に伝えた。
「んじゃ、チケット買ってくるからちょっと待ってろ」
「…はーい」
待ってる間壁に並ぶ映画の看板をチラリと見つめる。
小さな映画館だがジャンルは様々で、看板に描かれた女性は怪しげな笑みを浮かべながら猥らなポーズをとっている。